教 訓
実戦「防災危機管理」“危機に立ち向かった男たち”の著者の武田能行氏が被災地の研究のため仙台にこられました。
(写真中央。写真右は現代戦略・近現代史研究家の鎌田徹氏)
氏は、あの阪神大震災時、京都の連隊長として即日神戸市に出動して人命救助にあたった方であり、現在は財団法人 自衛隊援護協会事務局長、また、防災危機管理教育講師としても活躍されています。
http://www.engokyokai.jp/index.html
前述した著書は、阪神大震災での経験と戦術教官等の経験を踏まえ、危機管理の思考過程と危機に立ち向かった人の実例を挙げ、大震災への備えのための「個人、家庭、地域、組織」が準備すべき事項について記述されており、特に退職後自治体の防災担当として再就職する自衛官を念頭に執筆されていますのが、ご自身の失敗と反省から将来の教訓を提示しています。
今回の東日本大震災では、「未曾有の大災害ですから〜」という言葉をよく聞きますが、市民・国民の生命と財産を守る責務を有する方々、特に行政機関には、真摯に、真剣に、これまでの備え、また、発災後の対応の問題点について復旧業務に平行して(忘れないうちに、うやむやにしないで)把握し、教訓収集を図っていただきたいと思います。
2万数千名の犠牲者が発生し、多くの被災者が長期にわたり(現在にいたるまで)苦しみを強いられていることを決して忘れることなく、それらを最小限にとどめるために、なにが足りなかったのか、なにができたのか、について明らかにし、速やかに実務に反映するため、ともすれば個人批判になりやすい教訓収集ですが、あくまで客観的に評価・判定し、意識・組織・業務の改革を推進していただきたいと思います。
【仙台空港周辺 集積された被災車両】
【名取市ゆりあげ 北方向】
【仙台市荒浜 小学校から海岸方向】